中山獣医科病院ブログ

2017年2月 6日 月曜日

奈良公園の「イラクサ」Urtica thunbergiana のお話

イラクサは、夏から秋にかけ、緑白色の雄花と淡緑色の雌花が咲く。茎や葉の表面には毛のようなとげがある。
そのとげの基部にはアセチルコリンとヒスタミンを含んだ液体の入った嚢があり、とげに触れその嚢が破れて皮膚につくと強い痛みがでる。
関東以南の本州、四国、九州に自生し、北アメリカ、ヨーロッパにも見られる。近年では北海道でも自生する。
奈良公園では、シカによる食害を防ぐためにイラクサ自身が「毒をもつトゲ」を多く持つように進化した、との研究結果を奈良女子大学・加藤禎孝らのグループがまとめた。
グループは、県南部などのイラクサに比べ奈良公園のものは50倍以上もトゲが多く、この特徴が種子にも受け継がれていることを確認。
実際、公園内のイラクサ、県南部のイラクサでシカに食べられやすいのはどちらか、という実験を行ったところ、県南部のものは全て食べられたが、公園内のイラクサは60%以上も残ったという。
これについて教授は「1200年という長い間に、シカに対する防御機構が進化したのだろう」と話している。

これまで奈良公園と鹿にまつわる3つの話題を書きましたが、ながーい歴史が面白い現象を作りだしているのですね。







投稿者 中山獣医科病院

カテゴリ一覧

カレンダー

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30